コラム

〈コラム No.2〉ステレオタイプ&アーキタイプ

■あらゆる物事は相互作用

あらゆる出会い、出来事、事象が相互作用です。そこには単一の影響が全てを決定した、ということはあり得ないわけです。必ず2つ以上の影響力がぶつかり合って、その結果として出会いや出来事が形作られています。

 

だから、こと人間という複雑な構造をした生命体は、この相互作用の性質に自ら精通しておくことが重要になります。

 

■ステレオタイプとアーキタイプ

ステレオタイプという考え方があります。たとえば、社長といえば〜な感じ、女子高生といえば〜な感じ、アメリカ人といえば〜という具合に。その分類において、○○の〜らしさを知っており、特定の人物をその型を通じて理解しようとする思考形態のことを指します。

 

このステレオタイプとは別の、もう少し根源的な分類法にアーキタイプというものがあります。これは社会性を持った表面のアイディンティによって分類するステレオタイプとは違い、より抽象度の高い観点から分類するということです。

 

例えばエヴァンゲリオンは神話を元にして作られているアニメです。ですからこのエヴァンゲリオンを構成している本質的な構造は神話です。これはアーキタイプを利用しています。そしてそのストーリーの中で登場する主人公やヒロイン、敵などの部分もまたアーキタイプなのですが、高校生であったり、ロボットであったりという部分はステレオタイプとなります。

 

アーキタイプは普遍性が高く、ステレオタイプは現代人にわかりやすい社会性があるのです。この二つのタイプをどのように使い分けながら物語を構成していくかが、作者の腕の見せ所というわけです。なぜならステレオタイプのみでは“わかりやすいですが深みが出ず”、アーキタイプだけなら“抽象的すぎて臨場感にかけてしまう”からです。

 

そして冒頭にあげた人間が起こす事象・出会い・出来事は全てこの

(ステレオタイプ+アーキタイプ)  × (ステレオタイプ+アーキタイプ)

のやりとりだと考えることもできるということです。

 

例えば私は30代の男性で経営者です。ということは、そのステレオタイプはすでに世の中にはある程度イメージが確定されています。その一方で、アーキタイプとしての私は、時に神話を用いればスサノウ的であったり、オリシス的であったりするかもしれないのです。

 

すると、私は経営者としてのステレオタイプ、資本主義の中でお金を稼ぐ生き方をしながら、その活動の随所にアーキタイプとして神話的な影響力を降ろそうとしていきます。

 

アーキタイプ

ステレオタイプ

実社会に普遍性が具現化

 

■ジャンヌ・ダルク〈農夫の娘から国民的ヒロインへ〉

この実例として最もわかりやすい例がジャンヌ・ダルクです。

 

画像1

 

農夫の娘として生まれたあたりはどこにでもいる一少女でありステレオタイプです。しかしその少女がじきにフランスの国民的ヒロインになっていくあたりの展開はまさにアーキタイプ的であり、その背後に見える原型の形は大天使ミカエルそのものです。

 

画像2

 

■ステレオタイプを越えていく

もし、ここまでの話の展開において、あなたが自分の記憶のファイルの中にステレオタイプとアーキタイプの2つの情報を持っている場合と、そうでない場合でどのような違いが生じるかをイメージしていただきたい。

 

私たちは現代社会に生きており、その意味ではステレオタイプの情報やステレオタイプ同士としてのやり取り・コミュニケーションには散々馴染んでいます。

 

しかし、これは裏を返せば我々はアーキタイプを知らなければ、決して今のステレオタイプ以上の存在にはなり得ないということです。アニメ流に言い換えれば、自分の人生をモブキャラ止まりにするということです。

 

すると当然ながら、たとえ自分の目の前にアーキタイプの宿っている人物が座っていたとしても、自分はその型を知らないために、同じように相手にもステレオタイプとしてのコミュニケーションの形を無自覚的に強いてしまうことになります。

 

人生はあくまで多角度的、表面的、奥行き的な要素を視点を切り替えながら柔軟に流動的に咀嚼して進めていく必要があります。

 

もし今日一日のあなたの生活の中に、ステレオタイプ以上の何かが光っているなら、それを大切に増やしていって欲しいのです。そしてその光を他者の内部にも見出し抽出するのです。あなたの人生はあなたが主人公になれているでしょうか?

 

※本ブログは3度繰り返して読んでいただくと情報が有益なレベルにまで浸透します。ぜひ、お時間をとってお読みください。

株式会社サイレントキングダム代表 新妻正幸

 

 

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