実例コラム

〈コラム No.25〉どんな魔法よりも実は偉大で価値のあること

とある企業の部長を務めていらっしゃるIさんの個別相談での一幕です。「今まで自分が築き上げてきたものは誇りに思ってるんです。でも、結婚をしていなくて…ここまでくるとバツイチでもよかったんじゃないかって思うことがあるんです」

 

「Iは何か問題でもあるんじゃないかとか、結婚できない理由とかですね、たまに感じるんです。自分だけならよくやってる!って言ってあげられるのに・・」

 

実はこの手のご相談、50代程のエグゼクティブ層の女性の方から本当によく頂くご相談です。

 

「恋人を見つけようと思ったこともあるし、このままの私でいいんだ!って気丈に振る舞おうとしたこともあります。でも時がくればまた同じようにぐるぐる悩んで、あれ、またこれだ・・って。もちろん恋人がいたこともありますし、そういう話が上がったことも何度かありますけど、ただ、仕事を頑張りたかっただけなんです」

 

立ち振る舞いや、お話のされかた、身なりから見てもしっかりとされているIさんに何か問題があるとは思えません。

 

そもそも、このご相談の要の部分は、結婚がしたいのにできない、というものではありません。ご自分は仕事にやりがいを感じておられ、自分自身も誇りに思える人生を選んできた自負がある。だけど、その一方で結婚を選んで来なかったことで周囲から浮いて見られるのが辛い。

 

もしIさんが結婚をしたいのならばそういった専門の機関に行けばいいわけですが、それは「違う」と、ご自身でも気がついている段階。気持ちの問題、周囲からの認識のされ方、ある意味ご自身ではどうしようもない問題です。

 

このような一見他人から見れば「そのくらい、何が問題なの?」などと言われてしまいそうな部分、果たしてこのままでいいのでしょうか?

 

ここでの問題は自分自身に自信が持てない、というものとも違うでしょう。自信を持ってやってきたからこそ。「そうじゃない部分」に、「まだ足りてない部分」をウスウス感じはじめちゃっている・・というもの。

 

これまでのキャリアに対しては自信があるけど、人生、結婚、パートナー、次のステージの仕事など、自分でもまだ言葉にできていないけれど、きっと未完了な部分に対してグラグラきてしまう。だから他人にそこを指摘されると無視はできない。

 

「でもそれって一体何なのだろう?」この自分の内側からの「えもいわれぬ違和感」これこそが問題なのです。こういった病気でもないような、人生への「気がかりな点」というものは特に元気なうちはスルーしてしまいがちです。

 

しかし、放っておけば、箱の中の一つの腐ったミカンが周囲にまで影響していくように(前回のコラムで書きましたね)ご自身のキャリアにまで影響が出る、なんてことにもなりかねないわけです。

 

まだ自分自身の中で完璧と言い切れない自分の側面について外部から横ヤリを入れられないように、信用を得られるようにと、必死に努力をされて築き上げてきた大事なキャリアでもあるはずなのです。

 

これはIさんの例ではありませんが、他の方の酷似した例でご相談を受けたことも一件や二件ではありません。

 

「社内のライバルの男性に嫉妬され、噂を広げられ会社に居場所がなくなって辞めることになった」という過去をお持ちの方もいらっしゃいました。ここまでに発展するのにもきちんと理由があります。

 

勇気を持って、ご自分の在り方を見つめ直すことで、あなたが誇りに思えるキャリアを守り抜き「ご自身が完全に満足するカタチで発展できる道筋」を開拓する必要があります。

 

Iさんは「まだそこまで大事にはなっていませんが、ひやっとしたことは何度か・・」口を濁しましたが、他にも気がかりな点はいくつかあるような素振りを見せました。

 

えもいわれぬ違和感に対処する

この「えもいわれぬ違和感」に対処する上で重要になってくるのが「過去の自分と向き合ってみる」「充分に振り返って、自分のおいてきぼりにしてきた側面を迎えにいってあげる」という作業です。

 

ここで整理しておきましょう。
過去に対しての向き合い方は大きく3つのタイプがあります。

 

1、過去は変えられないのだから、と未来だけを見据えてバリバリと進んでいくタイプ

2、過去のことが忘れられず、後悔や過去の栄光にすがりついているタイプ

3、過去を能動的に振り返り、その体験から本質的な意義を見出すタイプ

 

今回のIさんのようなキャリアパーソンは往々にしてタイプ1のバリバリなパターンが多いです。

 

そしてタイプ2の後悔に苛まれている人を嫌悪していることもしばしばなので、自分は彼らとは違う、と一線を引いていることも。

 

しかし、ここで述べている「過去を能動的に振り返る」タイプ3の在り方は全く新しい過去・自分史に対しての態度の取り方。

 

自分のおいてきぼりにしてきた側面を迎えにいってあげる」ために過去を活用するのですから、とても前向きな過去との関わり方なのです。

 

これを正しくやることができれば、あなたの築き上げてきたキャリア同様に、人生、パートナーという側面も、十分に自信のあるものに引き上げてあげることが可能です。

 

小手先の解決法に依存したくなる気持ちをグッと堪え、今までの人生そのものに向き合っていく。未来をより良いものにするためのヒントは、いつでも今までのご自身に隠されているというわけです。

 

「振り返り」と申しますと「日記を書いています」という方もいらっしゃるのですが、ここでの振り返りとは日々の出来事を単純に書き記せばいいというものでもありません。

 

感情をつらつらとながーーーーく書かれる方、友人に話を聞いてもらい日々の鬱憤やストレスをぶちまけるという場合もあるようですが、断言します。その場限りスッキリするだけで、なんの解決にもなっていません。またこの現実は繰り返されます。これは何度も経験があるのではないでしょうか。

 

友人は大切ですが、専門家ではない人に相談しても、あなたに「提言」できないのならそれは解決や、新しい視座へと向かうことは決してありません。

 

新しい視座によって進むことができるところ

様々な角度からの視点を持ち、自分自身をマルっと振り返る必要があります。これができれば、あなたの人生に対する「捉え方」はハッキリと変わります。

 

周囲に影響を一切受けることはなくなるでしょう。変化後によくあるパターンは2つです。

 

1つ目は今の自分のスタイルに心から自信を持てるようになり、周囲の視線が全く気にならなくなる。「なんであんなに気にしてたんだろう」とまるで他人事のように感じるまでになります。

 

2つ目はパートナーができる。本人もまったく計画しておらず「結婚はしなくて良いと思っていたのですが」と照れ笑いを浮かべられるパターンです。

 

どちらにせよ、自然に「なるべく人になる」。「なるべくなる人になる」とはご自身への人生へのあり方・捉え方が変化し、違和感や焦りなどがない状態。グラグラきていた未完了の部分が、醸成され整ってくるのです。

 

こう申し上げると、苦虫を噛むような顔をされる方もいらっしゃるのですが、現実がどう変化されるかというのは小さな問題に過ぎません。それは執着と期待に過ぎない。

 

しかし、あなたが自身のあり方を信頼し、心底納得できていることは、どんな魔法よりも実は偉大で価値のあることです。

 

あらためて感じることができる人生に対する深い肯定感と充足。最高の自己満足を手に入れることが最大の価値であるわけです。

 

周囲の影響にスキを突かれそうになってはいませんか?左右にブレるを繰り返すようでは、到底、グラグラしている部分は整わないでしょう。

 

あなたにとって重大な「気がかり」「えもいわれぬ…」を小さい問題と無視し続けてはいませんか?案外、求めているものは、ご自身への「捉え方」一つで手に入るかもしれません。

 

あなたの大切なキャリアをしっかり守れる手札のご用意はされているでしょうか。

 

 

◾️「箱の中の一つの腐ったミカンが周囲にまで影響していく・・」とは?

〈コラム No.24〉美しい概念をデザインしよう

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