コラム

〈コラム No.33〉乖離に気がつくことができれば、あなたとパートナーの可能性は花開く

 

クライアントのA社長から「予想外な成果!」と喜びの声をいただきましたのでご紹介いたします。親子関係ですが、人間関係全般にいえることとしてお楽しみください。

 

「自分が思っている“娘のイメージ”と、実際の”娘の意識”は違ったんです。私の中で、このイメージと現実との乖離に気がつけたことが、本当に大きいことだと感じています」

 

この春、新中学3年生になったばかりの娘さんをお持ちのA社長からのお言葉です。

 

A社長は地方でマーケティングビジネスを展開しておられ、新妻との付き合いはかれこれ2年ほどになります。

 

当時はマーケティングのための社会心理学や、人間が持つ意識の仕組みについてご関心を示されて、当社の門を叩かれました。ところがここにきて予想外な成果があったと言います。

 

ビジネスのためにと、スピリチュアリティに取り組まれてきましたが、最近では娘さんとの関係性が大きく変化してきたことを実感されているそうです。

 

娘の自律心を見出せたA社長

「仕事がその日は長引いてしまって、遠くの塾に通わせている娘を迎えに行く時間がいつもより遅くなってしまったんです。

 

家を出る前、娘からは『スマホの充電がなくなりそう…』とLINEが入っていました」それっきり返信がなかったので、塾まで車を走らせました。

 

到着すると先生からもう娘さんは1人で帰られましたよ、と。それを聞いて「あの子、1人で帰ってこれるかしら、多分道がわからないはず。

 

しかもスマホはもう動かないからGoogleマップも使えない…今あの子、どこにいるの!?」と、すごく不安になったんです。

 

義理の母にも連絡して2人で周辺を散策、すると程なく娘が家のすぐ手前まで1人で帰ってきたところを見つけたんです。

 

その30分間くらいの間にさまざまなことに考えが巡り、焦りを感じていましたが、ホッとすると同時に…ハッと気がつきました。

 

多分、普通だったら「あなた、何1人で帰っているの!」って叱っていたと思うんです。

 

でも「あ、これは私の中の娘のイメージに過ぎない」、今目の前の娘はちゃんと1人で帰ってこられる「力」があった。

 

これが「本当のこの子の姿」なんだ…だから娘には「よく1人で帰ってこれたね!すごいじゃん」と声をかけました。

 

すると「そうなんだよ!あの道を曲がるときにね〜」と、迷いそうになったけどちゃんと自力で道を選んでこられた過程を話してくれました。

 

子どもの可能性をイメージでいかに締め付けていたか

心配しているからこそ、頭ごなしに怒ってしまう。

 

これは親ならば誰しも経験があることでしょう。しかし、これがただの思い込みによる先入観によって、相手を縛るものであったなら、相手とのコミュニケーションが上手くいくことの方が難しいのです。

 

人は、毎日会う人、よく知っていると思っている人ほど、その人に対して「特定」のイメージを持つようになっています。それが尊敬であれ、嫉妬であれ、愛であれ、憧れであれ、いずれかの尺度を持ってコミュニケーションを行っているものです。

 

今回のA社長は、自分自身の持っているこの特定のイメージを客観的に認識することに成功し、娘に対して無意識的に投げかけてしまっていた固定したイメージから「自らを救出する」ことに成功したのです。

 

人にはさまざまな才能があり、可能性があります。ですが、なぜそうしたポテンシャルがなかなか世の中ではスムーズに発揮されないのでしょうか。

 

それは、人が人を「イメージで縛っている」ことに他なりません。

 

社長が社員を、親が子どもを、みな特定のイメージで見つめ、接しています。この接し方、見つめ方には細心の注意が必要になるのです。

 

うっかりすると、本人が持っている自力や自発性を、立場が上の人が、過保護に、過干渉に限定してしまうことがあるからです。人は優しくしてもらったり、助けてもらったりすることで安心感を感じることはできます。

 

ですが、本当に人生が「充足」するような味わいを実感する瞬間というのは、本人の自発的なエネルギーによって自律心のままに何かを成し遂げたときです。

 

その自律心を応援できる関わり方に変化することができれば、対象の人物は自分の自発性に自信を持つことができますし、自分を信頼してくれることに肯定的な感情を抱くことができます。

 

今回、A社長は娘さんの「自律心の表れ」をはっきりと見ることができました。それは、これまでのA社長の抱えていた娘のイメージにはなかった新しいエネルギーだったのです。

 

イメージを超えて、明るい未来に進みたい

「客観的に、中庸に現実を捉えるスタンス」を訓練してきたA社長は、目の前のチャンスを掴むことができました。A社長は話してくれました。

 

「これまで私がしていたことが、、子どものためにうまく作用していなかったってわかりました」

 

「あのとき、もし開口一番、私があの子を『何かあったらどうするの!』とかそんな感じの言葉で叱っていたら…と思うとゾッとします」

 

「彼女の中に芽生え始めていた、わからない状況の中でも工夫してやっていこうとする力を、親である私自身が無かったことにしてしまうところでした」

 

「多分…こうゆうことが度重なって親子の軋轢って増えていくんだなって」

 

こういったコミュニケーションが起こっているご家庭は非常に多いものです。誰が間違っているわけではありません。しかし、イメージではなく、相手をまっすぐと見てあげることさえできれば、お互いの関係は簡単によりよくなります。

 

これは親子関係に限らず、あらゆる人間関係に言えること。パートナーシップの課題とは、イメージをいかに超えていくかにあるのです。

 

あなたが「イメージ」を開放することができれば、相手も、あなた自身もお互いにもっと楽に関わり合うことができるようになります。

 

あなたは今、あなたにとって大切な人の可能性を見出せていますか?伸ばしたいと思っている方の「可能性」を自ら潰してしまってはいないでしょうか?

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