新年会を兼ねて集まった都心にある老舗の中国茶屋での一幕です。T社長が言います。
「最近では、雑念が減り、思考が自分にとって『有益な考え』を思考してくれていることがわかります。」
隣にいるA社長が続けます。
「近頃は、『さっきの発言、自分の依存心だったな』ってすぐに気がつくようになりました。」
私も感想を述べます。
「お二人の日常が”タオ化”してきましたね。」
あなたに与えられている最高のリソース「性エネルギー」
もしあなたが人生に今以上の何かを求めるのならば「性エネルギー」を「掌握」する必要があります。あなたが性エネルギーを支配できれば、人生の土台が安定します。人生、性エネルギーの掌握が9割なのです。
そのためにはまず、「性エネルギーとは何か」「性エネルギーは何に繋がっているのか」という理解と、具体的に何をどうすればいいのか、という計画を持つ必要があるでしょう。
性エネルギーとは、人間が人生を全うするために使うことができる最大のエネルギーであり、あなたに与えられているリソースです。ですから、正しく活用、運用できればあなたの人生は生産的になり、道が開かれていくことになります。
性エネルギーを正しく方向づけると、人は「自律心」を強くし、その生き方はやがて「自己組織化」のパターンを強くしていくのです。
つまりあなたは、性エネルギーの掌握をすることで「自分の影響力の範囲」を広げて「好きな空間を創造」して生きていくことが可能になるのです。オーナー社長なら社風、ブランド力の根幹に流れる「自社らしさ」という具合です。
これを担保する大元が社長本人の性エネルギーの
になります。
上記のことから、性エネルギーを掌握し、運用するために何に取り組めばよいかも、2つの項目に明確化することができます。
1つ、性エネルギーと感情・思考との間の「癒着を断つ浄化」の必要があります。
2つ、性エネルギーの用いられる通路を「方向づける」必要があります。
性エネルギーの掌握を考えるときに、この二つを混同しないように注意しなければいけません。性エネルギーとはそのままでは石油のようなもの。それをガソリンやハイオクといった形へ、上質な状態に加工していくことで、はじめて物事に対して生産的な力を発揮してくれるものです。
①性エネルギーと感情・思考との間の「癒着を断つ浄化」
・“存在の良質化”のために行うこと
・「思考の明晰性」を保つ
・「感情の健全性」を保つ
あなた自身の動機と⇄性エネルギーとの距離感「思考の明晰性」「感情の健全性」の両者の質によって左右されます。
②性エネルギーの用いられる通路を「方向づける」
・あなたが目指す目標に「まっすぐ向かっていくための行動力・実現力」そのものを指す。
・強力な能動性・主体性・磁力があなたに宿る。
性エネルギーのベクトルが、あなたの夢をガッチリとサポートすることで上記が可能。
「浄化」と「方向づけ」この両方の取り組みが大切。
あなたは性エネルギーから得られる恩恵を、最大限に人生に注ぐことができるようになります。この状態になることが人間存在の要なのです。
性エネルギーの正しい運用方法、「性で身を滅ぼす」前に知っておきたいこと
前者の「癒着の浄化」に力を入れ、後者の「方向づけ」をおろそかにすれば、潔癖症で排他性の強い状態を招くことになります。世の中の汚れに対して、過剰に反応するあまり、視線が厳しく批判的な性格になっていきます。
自分は「一応綺麗に」なっていっているかもしれませんが、優劣の二元論が日に日に強くなっていきます。人間関係の好き嫌いにはじまり、活動の幅が狭くなっていきます。すると徐々に影響力は自分が排他した分だけ下がっていくことになります。
逆に、性エネルギーの「方向づけ」に力を入れて、前者の「浄化」をおろそかにしても、悲惨なことがおきます。やりたいことをやり、自分の道を切り拓いていくだけのパワーを持って進んでいくことができますが、一方で、常に思考の連想や活動の動機の根本には、性的欲求が居座りつづけています。
もちろんこれは「バレるバレない」といった法律的な話をしているのではなく、活動の純度と統一性の話です。ですから当然、より質の高いステージへ「移行するか、否か」の重要なタイミングでブレが生まれます。結果的に、疎かにしてきた部分が露呈するのは条理といえます。
そして、最も恐ろしいことは、あなたが潜在的に特定し切れていなかった「依存心」が性エネルギーの不摂生によって、簡単に表面化してしまうということ。「CO2を削減する」かのように徹底して、「依存心は削減」しなければなりません。さもなければ、気がついたときには、あなたの人生から「資金・時間・健康」がなくなっています。
宇宙構造のパターンから言えば、依存心のある人には、依存的な状況がそのまま反映されていきます。社員・配偶者・親・子供・取引先と、「関係性」のあるすべてのパターンが過度な依存的傾向を帯びるようになり、癒着を切り離せなくなり泥沼化していくことになります。
「性で身を滅ぼす」とはよく言ったものですが、人生を自分でコントロールできる「主権者」としての立場を失うことになるのです。自由度の高い理想的な生き方、人生の伏線回収といったことは当然起こり得るはずがありません。
あなたは性エネルギーの掌握によって影響力・人生の主導権・成功を手に入れる「3つのレベルをチェック」
「純化され、方向性を持ったあなた」には、人々が惹かれて集まってきます。求心力が生じてくるのです。「癒着の浄化」と「方向づけ」この2つの取り組みで、あなたははじめて性エネルギーを掌握し、「自律性」と「人生の主導権」を得ることができます。
性エネルギーの掌握とは「性の抑圧」ではなく「節制」です。「節制」はあなたがより大きな目的を成せるように、あなたの存在状態を統一へと導くのです。「統一状態のあなた」こそが、本来の「真っ当さ」のあるあなたです。その状態では「良心の呵責」が回復し「真っ当な問い」を立てることができるようになります。
例えばこのような問いです。
「本来、自分の仕事なのに過度に負担をかけてはいないだろうか?」
「一つのことにばかり囚われて、全体性を見失っていないだろうか?」
「人を信頼して頼むことと、依存することの境界線/見極めはどこにあるのか?」
このような具体的で「真っ当な自問自答を適宜繰り返す」ことで、その人の生き方が「道(タオ)」となるか、そうでないかが分かれていくことになります。
更に、あなたの人生が「ただの生活」か「道(タオ)」に入っているか?3つの段階で測ることができます。
レベル1
・社会の中で流れる複数の影響力のレイヤーに気がついていない
・日和見な態度
・物事の表層で右往左往する(物事の表層で迷っていることすら気がつかない)
・日々の生活で精一杯
・「道」という概念を考えたことすらない
・性エネルギーというリソースは「性的な欲求」「妄想的連想」に消費されているだけの状況
一般的にはこのレベル1に留まります。
自分のリソースをどこに使ったらいいのか?でもわかっていません。
レベル2
・社会的なプロパガンダに気付きだしている
・「恣意的な影響力」に対してある程度耐性ができてきている
・二元的な対立構造による排他意識・水面下での優生思想の概念に囚われる
・自分にとって敵対者と見なしている情報や人物が現れると攻撃的になる
・性エネルギーへの理解も起き始めてはいるが、知的好奇心止まり
・依存心が潜伏しているので実はブレており姑息
気づき始めていることは多いが、二元的な影響を受けている状態です。気づいているが故に苦しい状態ともいえます。エネルギーレベルで二元論ベースの世界に振り回されるため「被害者意識」にとらわれる場合もあります。
レベル3
・宇宙と社会と人間の関係性を客観的に把握している
・性エネルギーの「浄化」と「方向づけ」がそろって完了している
・自分のやるべきことを遵守することができる
・一挙手一等足において統一性がある
・仕事において形骸化したものがなく常に「形」と「中身」が一致している状態
・「ハート」と「行動」と「ビジネスモデル」がひとつながりに構築されている
・エネルギーの循環性・実現性が高い
・関係者も含めて相互に透明で活性化した場を創出している
高度なエネルギー状態です。簡単にいうとブレがなく、ムダもない。シンクロニシティがポジティブな形で波及していきます。質の高い行動で成果が出やすい存在状態といえます。
冒頭のT社長とA社長は、それぞれ昨年の間に「レベル3の概念」を学び、現在、自分自身のレベル2の側面をクリアーにするべく、明確な意図を持って取り組みをつづけています。
喫茶店の店内は、中国茶の伝統的な香りが満ちています。まるで都心とは思えない独特な空間です。小ぶりの茶器を片手に、T社長が恥ずかしそうに話してくれました。
「去年までは四六時中、事業の生産性を上げることばかり考えてきました。ですが、その生産性を上げる根本的な話として、自分自身の性エネルギーに着手するなんて、思ってもみませんでした」
A社長はその言葉に対して大笑いしながら応じます。
「思えば、たった一年前のことですが、あの時はほんとブレブレでしたね。でも、自分がブレていることにすら気がついてない、そんな状態があったのですね」
当時の自分を俯瞰する二人の姿がそこにはありました。
私は言いました。
「タオの道に入ることで、このお茶のように人生も醸成されて、お二人のステージもまた上がった、と」中国茶は良く発酵(醸成)されており、だからこそ高級茶として最高峰の価値を持っています。
A社長
「新妻先生、上手いこと言いますね」
T社長
「いやあー、まったくですね。何とかここまで来ましたよ」
先程よりもゆっくりと、味わい深そうに中国茶を嗜む2人は少しばかり満足そうです。
「あなたの内面に答えがある」という考え方もこの世にはありますが、実際、これは有用ではありません。何かすばらしい「答え」が自分のどこかにあるのではないか、そう考えることは一見素晴らしいことですが、中途半端にこの考えを採用してしまうのはあなたの成長や発展を妨げてしまう恐れの方が大きのです。
「内面に取り組む」ことで外部との関係で「何が起きているのか」をより合理的に把握できるようになります。よって「内面に取り組む」ことが早道だということに気づかれた方から外側は変わっていくことになります。
あなたのキャリアを太く強くするために、人生をより豊かにするために
あなたはこの二人のように目的を成すことができます。成功して、更にはその先へ進むことができます。そのために自律心をあなたの中で太くする。「どうしたら緻密なレベルで依存心を削減できるのか」具体的にどのように生活を「節制」していくのか計画を練る必要があります。自問自答を繰り返しながら、自分自身に働きかけていく姿勢をキープしてください。
そもそも、宇宙(創造主)は、私たち人間が何かに従属して、夢遊病のように生きるようには我々を創りませんでした。私たちの命の本質に流れているのは「主体性と自発性」。そして主体的に自由に生きたいと望む、あなたの熱量をバックアップしてくれるのが性エネルギーです。
T社長もA社長も、一年前は粘着性のある記憶に苛まれ、事業どころではありませんでした。(そうはいっても表向き何食わぬ顔で仕事をするのが経営者ですが…)しかし、「自分自身の改革」に取り組むことで表裏を統合化し、本来のパワーが二人には戻ってきたのです。
あなたにも、「あなただけの道(タオ)」はあります。不毛な堂々巡りをする必要はないでしょう。あなた自身の中に流れる性エネルギーは本来”あなたが次のステージに進む”ために用意されているのですから。
もしあなたが女性なら、自律心を獲得すると「この人にならぜひついていきたい」「あなたを幸せにしたい」と心から想ってくれる理想の相手が現れます。もしあなたが男性なら、自律心を獲得すると「あなたのことを支えたい」と心からあなたを応援してくれる相手が現れます。
もしあなたが経営者なら、組織全体に「自己組織化の流れ」が生じ始めます。
性エネルギーを自分のものにすることで、生き方には文字通り軸が通ります。軸が通った自律的な人には、同じく軸の通った人が現れるように世界はできています。
次はあなたがタオを歩き始める番です。自律的に生き、人生を謳歌しましょう。