■賢者は文字メディアがキライ!?
ソクラテスがあくまで対話による気づきを重視したのに対して、プラトンはある意味で師の教えに反いてまで“対話編”を著し、後世にソクラテスの教えを残しました。
文字の良さは保存が効くことで、仏教が広まったのも般若心経などの文字メディアがあったからだと言われています。文字に残すことをしない“高度な文化”は歴史から泡のように消えてしまっているのです。
ですが現代は言葉をそのまま残しておけるテクノロジーが発達してきました。できることなら古代ギリシャ人たちの対話を音声メディアを通じて聞いてみたいと思いませんか?
それはきっと本からは得られなかった臨場感、間、空気感が伝わってくることでしょう。ソクラテス以外にもシャーマニズムも、タオイズムも、基本的には伝達はすべて口伝(くでん)であり、文字ではありません。
そういった意味で風の時代のメディアというのは間違いなく音声メディアであり、土の時代の一つの象徴であった文字メディアはもちろんまだまだ必要とされるにしても、その勢力図は逆転してくるでしょう。
とはいえ併用が基本ですね。文字と言葉は相補的に組み合わせることで世界観に広がりが出ますから。
■言葉は風の時代にフィットするが
インドではマントラ(言葉)×ヤントラ(絵)が基本の瞑想スタイル。
SNSではクラブハウスの出現でクラハ(言葉)×インスタ(絵)などがどんどん出てきていますね。
ただ私が最近気に入っているのはSpotifyやスタンドFMといった細切れに音声を残しておけるポッドキャスト系のメディア。5~10分以内の収録でムリなく作れるのがいいですね。
ソクラテスが対話を重視した背景には、コミュニケーションは言語化されたものと、その背景にあるノンバーバル(非言語)の領域を等しく大切に捉えていたからでしょう。
ですが文字には“行間”という要素はあれど、やはりそれはよほどの名著でない限り、ダイレクトな対話にはどうしても劣る側面は否めない。表面的な情報なら文字も、録音も、ライブ配信も、直に会うのも変わらないかもしれない。でもやっぱ直に会うは違うかな。
それが"奥行き情報”というやつです。
奥行きを大切にしたいなら、できるだけ会うに近い音声による発信かな、と私は思います。声が出る喉には喉仏様もいらっしゃいますからね。
さて、あなたはより奥行きのある情報の受け取り方を考えてらっしゃいますでしょうか?「風の時代」の情報の受け取り方は、「地の時代」に比べて精度や濃度も大切になってきます。大事なのは溢れかえっている情報を嗅ぎ分ける嗅覚や肌感覚。
あなたも受け取り方を見直してみませんか?
風の時代での「最も質のたかい、情報受信の仕方を学べる!」
奥行きってなに?情報を嗅ぎ分ける力が身につく